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イレギュラーの観測を開始してから1ヶ月……。何の変化も見られない。 いくら3年前から何の変化もない観測任務を続けていたといっても、イレギュラーが観測対象の前に姿を現してから1ヶ月も何の変化もないというのは遺憾だ。あたしの操り主も失望している。 このままでいいのだろうか。いいえ、いいはずはない。 何も知らない観測対象と、いまだに彼女の力を信じていないイレギュラーの二人だけでは変化が起きないのはしかたがない。未来人と超能力者の派閥も彼女に変化が起きることを望んではいない。 しかし、彼女の力は我々にとって有益なものとなりうる。 ならば、彼女に変化を起こさせるのは誰か――そう、我々だ。 それなのに……『彼女』は何をやっている? あくまでも観測対象が自ら変化を起こすのを待つ。それが主流派のやり方? 納得がいかない。『鍵』を目の前にして、何故こうも落ち着いていられるのか。下手に動いて切り離されるのを避けるために、今まで大人しくしていたけど、もう我慢の限界だ。 納得がいかない。あたしのこの立場も。何がバックアップだ。独断専行は許されない? ふざけないでもらいたい。何のアクションも起こそうとしない連中が何を言っているのか。 いずれ観測対象の力が消失してしまうかも分からない。彼女は未知数だ。それは彼女が死ぬ時かもしれないし、もしかしたら次の瞬間かもしれない。 それは駄目だ。この機を逃すわけにはいかない。 彼らが動かないのならば――我々が動く。 見ているがいい。いかに自分たちが愚かな存在かということを。 待っているがいい。これで、主流派の名は我々のもの。 「あなたを殺して涼宮ハルヒの出方を見る」 あたしの一閃を間一髪で避けたイレギュラーは、愕然とした顔であたしを見ている。……いい顔。その顔をもっと恐怖で歪めてあげる。 「冗談はやめろ。マジ危ないって! それが本物じゃなかったとしてもビビるって。だから、よせ!」 イレギュラーが声を荒らげる。面白い。今までに感じたことの無かった高揚を感じる。 「冗談だと思う?」 イレギュラーはこの世の終わりのような形相で身構えている。この絶望の表情。ゾクゾクする。 ……『彼女』もこんな顔をするのだろうか。是非見てみたい。 「ふーん」 あたしはナイフの背で肩を叩きながらイレギュラーに語りかける。面白い。笑みが止まらない。 「死ぬのっていや? 殺されたくない? わたしには有機生命体の死の概念がよく理解出来ないけど」 元よりそんなことはどうでもいい。彼を殺す。この行為に対して、あたしは例えようの無い興奮を覚えている。 「意味が解らないし、笑えない。いいからその危ないのをどこかに置いてくれ」 「うん、それ無理」 そう、無理だ。今のあたしは誰にも止められない。だって――。 「だって、あたしは本当にあなたに死んで欲しいんだもの」 「情報連結解除、開始」 『彼女』の一言で全てが終わった。台無しだ。あたしの、我々の計画が。 「そんな……」 これで終わり? そんな馬鹿なことがあるって言うの? 「あなたはとても優秀」 『彼女』が口を開く。 「だからこの空間にプログラムを割り込ませるのに今までかかった」 あたしが優秀? ふふ、ふふふ……光栄ね。本当に光栄。 「でももう終わり」 ふざけるな。 ふざけるな、ふざけるな、ふざけるなふざけるなふざけるな。 何がもう終わりだ。みすみすこの機を逃すつもりなの? 情報フレアの発生が99.998%以上の確立で期待できるのに? 理解できない。主流派は何を考えているの? ……そう。そうか。主流派は消えるのを恐れているのだ。 愚かだ。実に愚か。 リスクというものを分かっていない。 「……侵入する前に崩壊因子を仕込んでおいたのね。どうりで、あなたが弱すぎると思った。あらかじめ攻性情報を使い果たしていたわけね……」 でも、もう遅い。……今回は我々の負け。それは認めよう。 「あーあ、残念。しょせんあたしはバックアップだったかあ。膠着状態をどうにかするいいチャンスだと思ったのにな」 でも、愚かなのは主流派、あなたたちの方。我々がせっかく機会を作ってやったというのに、あなたたちはそれを潰した。 「わたしの負け。よかったね、延命出来て。でも気を付けてね。統合思念体は、この通り、一枚岩じゃない。相反する意識をいくつも持ってるの。ま、これは人間も同じだけど。いつかまた、わたしみたいな急進派が来るかもしれない。それか、長門さんの操り主が意見を変えるかもしれない」 自己を構成する有機情報連結が崩れていくのを感じながら、あたしはイレギュラーに語りかけた。 そう、今『彼女』を信用するのは勝手だけど、次に『彼女』が守り切れるかは分からないし、『彼女』が裏切らないとも限らない。 後悔はしていない。これで彼らも分かったはずだ。このままでは満足しない者もいるということを。 いつかまた、必ず今回のようなことになる。これは確信。 だけど……。 「それまで、涼宮さんとお幸せに。じゃあね」 彼を殺すのは、あたしの役目。これだけは譲れない。あたしはいつか必ずあなたたちの前に戻ってくる。 その時は、あなたの絶望する顔をたっぷりと拝んであげる。 ねえ……『長門さん』?
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朝倉涼子のグサデレ ~夏休み・ハイキング編~ 第1話 キョン「朝倉、話がある」 朝倉「なに?」 キョン「今年の夏、俺たちは花火、プールと夏の風物詩を楽しんだ」 朝倉「?…そうね」 キョン「だが俺は気づいた、まだ山に行ってないことに!」 朝倉「それで?」 キョン「そこで提案する。明日はハイキングに行くってのはどうだ?良い考えだろ?夏らしいだろ?行きたいと思うだろ?……よし決定だ。明日の朝いつもの場所に集合な。じゃあ今日は解散ということで……」 朝倉「あたしの意見も聞かずに何言ってるの?わかってるのかしら、もしあたしが今行きたくないって言ったらあなたは一人で行かなきゃならないのよ?それなのに勝手に決めちゃって……何様?ということで、じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwじゃ中止の方向でwww」 朝倉「また一人で決めて……行くに決まってるじゃない♪」 キョン「(素直じゃないとこがまた朝倉らしいぜ…はぁはぁ)グフッ」 第2話 キョン「動きやすい格好、弁当、水筒、そしておやつは300円以内。天気も今日は快晴だと言っていたし、ハイキングには最適だな」 朝倉「おやつが気になるけど……とりあえず準備は万端ね」 キョン「ちなみに登る山の大きさは初心者レベル。道も歩きやすいようになっている。途中で険しい場所もあるようだが道案内を見れば大丈夫のようだ」 朝倉「じゃあ安心ね。行きましょうか♪」 キョン「山は雄大だな……」 朝倉「思わず自然のすばらしさを実感するわね」 キョン「ヤッホー!!」 朝倉「いきなり何!?」 キョン「すまん、自然に帰ったと思うとつい叫んでしまった」 朝倉「ふふ、まるで猿みたいね♪」 キョン「猿がうらやましいよ、自由に自然を生きられるんだからな」 朝倉「あら、人間以下のキョン君なら猿みたいな生活を送ってるんだと思ってたわ」 キョン「ヒドスww」 朝倉「そんなに自然と一緒になりたいならしてあげるわ。土に帰りなさい、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww自然回帰www」 朝倉「でも、キョン君なんて土も拒んじゃうわよね」 キョン「(将来は朝倉と一緒に土の中で…はぁはぁ)グフッ」 第3話 キョン「よし!あとちょっとだ」 朝倉「じゃあ一緒に♪」 キョン「せぇーの!」 キョン・朝倉「「とぉ~ちゃ~く!!」」 朝倉「ふぅ!ここが頂上ね。やっぱり高いわね」 キョン「下があんなに小さく見えるな」 朝倉「まるでゴミのようね」 キョン「そのセリフはww」 朝倉「じゃあ早速お昼にしましょうか」 キョン「大自然で食う飯は格別だろうな」 朝倉「今日は全部あたしの手作りよ♪」 キョン「すばらしい…生きてて良かった、うぅ」 朝倉「大げさなんだから。はい、どうぞ♪たくさん食べてね♪」 キョン「じゃあ、」 キョン・朝倉「「いただきま~す」」 キョン「うまい!こっちはどうだ?(パクッ)…うっ、のどに……つ、つまった…み、ず……」 朝倉「大丈夫!?はい、水筒よ」 キョン「(ゴクッゴクッ)熱ッッ!!そして、しょっぱ!!なんだこれ!?水じゃないのか?」 朝倉「え?おでんのつゆだけど?」 キョン「濃いだろ!」 朝倉「栄養満点でしょ?それにこの自然の中で飲む一杯は格別だと思って。もしかして嫌い?」 キョン「嫌いとかではなくだn」 朝倉「あらそう、あたしはそういうキョン君が不愉快ね。あなたのせいで山の景観が損なわれるわ、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww俺廃棄物www」 朝倉「ゴミくずね」 キョン「(野外で朝倉に蔑まれてる…はぁはぁ)グフッ」 第4話 キョン「うまい飯も食ったし…さて、そろそろ下りるか」 朝倉「きれいな景色も見れたしね♪」 キョン「霧か……」 朝倉「変ね、さっきまであんなに晴れてたのに」 キョン「山の天気は変わりやすいとは聞いていたがここまで変わるもんだとはな」 朝倉「慎重に行きましょ」 キョン「遭難したなんてことになったら洒落にならんからな」 ――――― 朝倉「ねぇ、こんなとこ通ったかしら……?」 キョン「確かに…さっきから看板も見えないしな」 朝倉「戻りましょうよ」 キョン「そうだな」 ――――― 朝倉「……」 キョン「……」 朝倉「あら?」 キョン「どうした?」 朝倉「ううん……その、気のせいだと思うんだけど…ここ、さっきも通らなかった?」 キョン「まさか。そんなわけないだろ」 朝倉「だってあの木さっき見たもの。あの形は忘れないわ」 キョン「そんなバカな」 朝倉「ねぇ、言いたくないけどまさかあたし達……」 キョン「……迷った?」 朝倉「……」 キョン「……」 朝倉「お、落ち着きましょう。あせっても何も良いことはないわ。冷静を保ちましょう。とりあえず、深呼吸して、スゥーハァー…平常心平常心……次にこれで、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww落ち着けwww」 朝倉「大丈夫。あたしはいつも冷静よ……こんなことじゃ動揺しないわ」 キョン「(朝倉と二人っきり…はぁはぁ)グフッ」 第5話 キョン「さてここからどう動くかが重要になる」 朝倉「(コクン)」 キョン「当然の事ながら携帯は繋がらない。発煙筒などの類ももちろんない。つまり俺たちには誰かにこの状況を伝える手段がない。よってこの状況を自分たちで打開するしかないということだ」 朝倉「でもやたらと動くのも危険じゃない?」 キョン「そのとおり。黙ってここでじっとしているのが一番いいのさ。辛抱強く助けを待っていようぜ」 朝倉「あたしたち助かるかしら」 キョン「当たり前だろ。必ず二人で生きて帰ろうぜ」 朝倉「そうね(キョン君が頼もしく見える……それにドキドキする、どうして?)」 キョン「朝倉、顔が赤いぞ。どうした?熱でもあるのか?」(ピタッ) 朝倉「ッ!?(ビクッ)」 キョン「わぁ!ス、スマン…急に触ったりしたら驚くよな…」 朝倉「あ…そんなんじゃなくて……」 キョン「?」 朝倉「ねぇ、、、キョン君の隣に座っていい?」 キョン「別にいいぞ?」 朝倉「……(ピトッ)」 キョン「!?…朝倉?ち、近くないか?腕なんかく、組んできたりして、どうしたんだよ?」 朝倉「こうしていたいの(ボソッ)」 キョン「そ、そうか。朝倉がそれで落ち着くなら…」 朝倉「(ドキドキがとまらない。どうしたのあたし。…あれ…?別の場所からもドキドキが聞こえる。どこかしら?……あっ、そうか、この音はキョン君のドキドキね。おかしいの。二人でドキドキしてるなんて。ふふ♪)ふふ♪」 キョン「笑ったりしてどうしたんだ?」 朝倉「なんでもないわ♪ふふ」 キョン「そうか……あ、すまん。俺トイレ」 朝倉「え?」 キョン「なんか冷えるから近くってなww」 朝倉「……」 キョン「ちょっとあっちの茂みでしてくるよ!小さいほうだから安心してくれwww」 朝倉「……(ゴゴゴゴゴ……)」 キョン「どうした?おい離してくれよ。行けないだろ?」 朝倉「行く必要なんかないわ……」 キョン「へ?」 朝倉「だって、あなたはここで死ぬんだもの……じゃ死んで♪」 キョン「ちょww漏れるwww」 朝倉「あなたの空気の壊しようには呆れるわ」 キョン「(なんで怒るんだ?ハッ!?もしかして朝倉もトイレに行きたかったのか。朝倉のトイレ…はぁはぁ)グフッ」 第6話 キョン「悪いな。急にトイレなんか行ってw」 朝倉「……」 キョン「怒るなよ。次は朝倉が行っていいからさw」 朝倉「?」 キョン「どうした?急にキョロキョロしたりして」 朝倉「何か聞こえない?」 キョン「何か?……いや」 朝倉「確かに今聞こえたわ。ガサガサって音がしたもの」 キョン「まさか救助が来たのか!?」 朝倉「だと良いんだけど」 (ガサガサ) キョン・朝倉「「!?」」 朝倉「今のは聞こえたでしょ?」 キョン「あぁ……音が近いな」 朝倉「人かしら?」 キョン「おぉ~い……救助の人ですか~?そうなら返事してくださ~い……」 (ガサガサ…ガサガサ……) 熊「グァアァアア!!!!」 キョン・朝倉「!!??ギャアアア!!!」 キョン「逃げるぞ!!」 朝倉「えぇ!」 キョン「走れ!!」 熊「グォォオォォ!!」 キョン「やばい!ついて来やがった!!」 朝倉「捕まったら食べられるわ!もっと早く走って!」 キョン「なんか武器はないのか!?」 朝倉「下手に威嚇したら余計危ないわ!」 キョン「しかs(ガンッ)…痛!?なんか当たった!ん?これは、、蜂の……巣?」 朝倉「早く捨てて!蜂まで追いかけて来るじゃない!」 キョン「もう遅いぜ……」 蜂「(ブゥーン……)」 朝倉「キャー!!なんてことしてくれたの!?」 キョン「そ、そんなこと言ったっt(ギュム)……今なんか踏んだ」 朝倉「また!?」 狼「ガルルルル……」 キョン「今度は狼ぃい!!!」 朝倉「なんで敵を増やすのよ!!」 キョン「不可抗力だ」 熊「グオォォ!!」 蜂「(ブゥーン…)) 狼「ガゥゥウ!!」 朝倉「あぁもうっ!こうなったのもキョン君のせいよ!?」 キョン「何ッ!俺のせいだぁ!?」 朝倉「そうよ!いつもいつもあたしに迷惑かけて!今回だってキョン君がハイキングに行くなんて言わなかったらこんなことにはならなかったわ!!」 キョン「自分だって行きたいって言ったじゃねぇか!」 朝倉「うっ……そ、それはそれよ!つまり元凶はキョン君!それさえ断てばすべてうまくいくの!!だから、じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwあいつら無視www」 朝倉「なぁに?(キッ)」 熊「!?……キュ~ンキュ~ン…」 蜂「!?(ビューン!)」 狼「!?……キャインキャイン!!」 キョン「(一睨みで一目散に。さすが朝倉の目力だぜ。あぁあの目で睨まれたい…はぁはぁ)グフッ」 第7話 朝倉「走り回ったせいで今どこにいるかわからなくなったじゃない」 キョン「しかもさっきよりも暗いしな。さらに奥に来ちまったのかもしれん」 朝倉「もうあたしたち助からないのかしら……」 キョン「あきらめんなよ。必ず二人で助かるって言っただろ?」 朝倉「……えぇ」 キョン「元気出せよ。ほら、これでも食え」 朝倉「チョコ?」 キョン「はは、ちょっと溶けちまったがな。疲れたときには甘いものが一番だ」 朝倉「ありがと。(パクッ)……おいしいわ、キョン君」 キョン「そうか……ん?」 朝倉「どうしたの?」 キョン「いや、どこからかいい匂いが、(クンクン)」 朝倉「匂い?(クンクン)ハッ!?これはまさか!!(ダッ)」 キョン「おい!いきなり走り出したりしてどうしたんだよ!!」 朝倉「この匂いは…この匂いは……」 キョン「お~い!待ってくれ~」 朝倉「(ガサガサ)」 キョン「(ガサガサ)こんなとこ通って大丈夫か?」 朝倉「……」 キョン「やれやれ、ん?あれは光…まさか人のうちか!?」 朝倉「ふふふ、違うわ。あれは……」 キョン「あれは?」 朝倉「おでんの屋台よ!このあたしが言うんですもの、間違うわけがないわ」 キョン「その自信はどこから……なッ!?本当におでん屋だった!!」 朝倉「おじさん適当に見繕ってね♪」 キョン「なんというオチだろうか」 朝倉「ん~おいし♪」 ――――― キョン「俺たちは無事山を下りることができた。朝倉のおかげでな。だが出た場所は一つ隣の町だった。つまり必死で逃げ回ったせいで山一つ分を越えてしまったのだ。こうして俺たちのハイキングは終わった……俺と朝倉は危険を乗り越えることでまた一つお互いの愛を育んだのだ―――」 朝倉「勝手に何言ってるの?独り言なんて気持ち悪いったらないわ。だいたい愛とか言っちゃって恥ずかしいって言葉知らないのかしら?そんな恥知らずはこうしてあげる、 じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwおでん食って終わりとかwww」 朝倉「いい運動したあとはおいしいもの食べるに限るわね♪」 キョン「(俺たちの夏はまだ終わらない…はぁはぁ)グフッ」 ~夏休み・ハイキング編~完 おまけ 第8話 キョン「じゃあハイキングに行くか」 朝倉「そうね♪」 朝倉「……」 キョン「どうした?食わないのか?(パクパク)」 朝倉「ねぇ、これって?」 キョン「え?バイキングだが何か?」 朝倉「そんなベタなオチ期待してないの。こんなオチじゃ芸人になれないわよ? そんな無価値な人は処刑ね、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww俺の将来芸人www」 朝倉「あなたみたいな人が芸人になったら失礼よ」 キョン「(なんにしても将来は朝倉と二人で…はぁはぁ)グフッ」
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イレギュラーの観測を開始してから1ヶ月……。何の変化も見られない。 いくら3年前から何の変化もない観測任務を続けていたといっても、イレギュラーが観測対象の前に姿を現してから1ヶ月も何の変化もないというのは遺憾だ。あたしの操り主も失望している。 このままでいいのだろうか。いいえ、いいはずはない。 何も知らない観測対象と、いまだに彼女の力を信じていないイレギュラーの二人だけでは変化が起きないのはしかたがない。未来人と超能力者の派閥も彼女に変化が起きることを望んではいない。 しかし、彼女の力は我々にとって有益なものとなりうる。 ならば、彼女に変化を起こさせるのは誰か――そう、我々だ。 それなのに……『彼女』は何をやっている? あくまでも観測対象が自ら変化を起こすのを待つ。それが主流派のやり方? 納得がいかない。『鍵』を目の前にして、何故こうも落ち着いていられるのか。下手に動いて切り離されるのを避けるために、今まで大人しくしていたけど、もう我慢の限界だ。 納得がいかない。あたしのこの立場も。何がバックアップだ。独断専行は許されない? ふざけないでもらいたい。何のアクションも起こそうとしない連中が何を言っているのか。 いずれ観測対象の力が消失してしまうかも分からない。彼女は未知数だ。それは彼女が死ぬ時かもしれないし、もしかしたら次の瞬間かもしれない。 それは駄目だ。この機を逃すわけにはいかない。 彼らが動かないのならば――我々が動く。 見ているがいい。いかに自分たちが愚かな存在かということを。 待っているがいい。これで、主流派の名は我々のもの。 「あなたを殺して涼宮ハルヒの出方を見る」 あたしの一閃を間一髪で避けたイレギュラーは、愕然とした顔であたしを見ている。……いい顔。その顔をもっと恐怖で歪めてあげる。 「冗談はやめろ。マジ危ないって! それが本物じゃなかったとしてもビビるって。だから、よせ!」 イレギュラーが声を荒らげる。面白い。今までに感じたことの無かった高揚を感じる。 「冗談だと思う?」 イレギュラーはこの世の終わりのような形相で身構えている。この絶望の表情。ゾクゾクする。 ……『彼女』もこんな顔をするのだろうか。是非見てみたい。 「ふーん」 あたしはナイフの背で肩を叩きながらイレギュラーに語りかける。面白い。笑みが止まらない。 「死ぬのっていや? 殺されたくない? わたしには有機生命体の死の概念がよく理解出来ないけど」 元よりそんなことはどうでもいい。彼を殺す。この行為に対して、あたしは例えようの無い興奮を覚えている。 「意味が解らないし、笑えない。いいからその危ないのをどこかに置いてくれ」 「うん、それ無理」 そう、無理だ。今のあたしは誰にも止められない。だって――。 「だって、あたしは本当にあなたに死んで欲しいんだもの」 「情報連結解除、開始」 『彼女』の一言で全てが終わった。台無しだ。あたしの、我々の計画が。 「そんな……」 これで終わり? そんな馬鹿なことがあるって言うの? 「あなたはとても優秀」 『彼女』が口を開く。 「だからこの空間にプログラムを割り込ませるのに今までかかった」 あたしが優秀? ふふ、ふふふ……光栄ね。本当に光栄。 「でももう終わり」 ふざけるな。 ふざけるな、ふざけるな、ふざけるなふざけるなふざけるな。 何がもう終わりだ。みすみすこの機を逃すつもりなの? 情報フレアの発生が99.998%以上の確立で期待できるのに? 理解できない。主流派は何を考えているの? ……そう。そうか。主流派は消えるのを恐れているのだ。 愚かだ。実に愚か。 リスクというものを分かっていない。 「……侵入する前に崩壊因子を仕込んでおいたのね。どうりで、あなたが弱すぎると思った。あらかじめ攻性情報を使い果たしていたわけね……」 でも、もう遅い。……今回は我々の負け。それは認めよう。 「あーあ、残念。しょせんあたしはバックアップだったかあ。膠着状態をどうにかするいいチャンスだと思ったのにな」 でも、愚かなのは主流派、あなたたちの方。我々がせっかく機会を作ってやったというのに、あなたたちはそれを潰した。 「わたしの負け。よかったね、延命出来て。でも気を付けてね。統合思念体は、この通り、一枚岩じゃない。相反する意識をいくつも持ってるの。ま、これは人間も同じだけど。いつかまた、わたしみたいな急進派が来るかもしれない。それか、長門さんの操り主が意見を変えるかもしれない」 自己を構成する有機情報連結が崩れていくのを感じながら、あたしはイレギュラーに語りかけた。 そう、今『彼女』を信用するのは勝手だけど、次に『彼女』が守り切れるかは分からないし、『彼女』が裏切らないとも限らない。 後悔はしていない。これで彼らも分かったはずだ。このままでは満足しない者もいるということを。 いつかまた、必ず今回のようなことになる。これは確信。 だけど……。 「それまで、涼宮さんとお幸せに。じゃあね」 彼を殺すのは、あたしの役目。これだけは譲れない。あたしはいつか必ずあなたたちの前に戻ってくる。 その時は、あなたの絶望する顔をたっぷりと拝んであげる。 ねえ……『長門さん』?
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朝倉涼子のグサデレ ~夏休み・ハイキング編~ 第1話 キョン「朝倉、話がある」 朝倉「なに?」 キョン「今年の夏、俺たちは花火、プールと夏の風物詩を楽しんだ」 朝倉「?…そうね」 キョン「だが俺は気づいた、まだ山に行ってないことに!」 朝倉「それで?」 キョン「そこで提案する。明日はハイキングに行くってのはどうだ?良い考えだろ?夏らしいだろ?行きたいと思うだろ?……よし決定だ。明日の朝いつもの場所に集合な。じゃあ今日は解散ということで……」 朝倉「あたしの意見も聞かずに何言ってるの?わかってるのかしら、もしあたしが今行きたくないって言ったらあなたは一人で行かなきゃならないのよ?それなのに勝手に決めちゃって……何様?ということで、じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwじゃ中止の方向でwww」 朝倉「また一人で決めて……行くに決まってるじゃない♪」 キョン「(素直じゃないとこがまた朝倉らしいぜ…はぁはぁ)グフッ」 第2話 キョン「動きやすい格好、弁当、水筒、そしておやつは300円以内。天気も今日は快晴だと言っていたし、ハイキングには最適だな」 朝倉「おやつが気になるけど……とりあえず準備は万端ね」 キョン「ちなみに登る山の大きさは初心者レベル。道も歩きやすいようになっている。途中で険しい場所もあるようだが道案内を見れば大丈夫のようだ」 朝倉「じゃあ安心ね。行きましょうか♪」 キョン「山は雄大だな……」 朝倉「思わず自然のすばらしさを実感するわね」 キョン「ヤッホー!!」 朝倉「いきなり何!?」 キョン「すまん、自然に帰ったと思うとつい叫んでしまった」 朝倉「ふふ、まるで猿みたいね♪」 キョン「猿がうらやましいよ、自由に自然を生きられるんだからな」 朝倉「あら、人間以下のキョン君なら猿みたいな生活を送ってるんだと思ってたわ」 キョン「ヒドスww」 朝倉「そんなに自然と一緒になりたいならしてあげるわ。土に帰りなさい、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww自然回帰www」 朝倉「でも、キョン君なんて土も拒んじゃうわよね」 キョン「(将来は朝倉と一緒に土の中で…はぁはぁ)グフッ」 第3話 キョン「よし!あとちょっとだ」 朝倉「じゃあ一緒に♪」 キョン「せぇーの!」 キョン・朝倉「「とぉ~ちゃ~く!!」」 朝倉「ふぅ!ここが頂上ね。やっぱり高いわね」 キョン「下があんなに小さく見えるな」 朝倉「まるでゴミのようね」 キョン「そのセリフはww」 朝倉「じゃあ早速お昼にしましょうか」 キョン「大自然で食う飯は格別だろうな」 朝倉「今日は全部あたしの手作りよ♪」 キョン「すばらしい…生きてて良かった、うぅ」 朝倉「大げさなんだから。はい、どうぞ♪たくさん食べてね♪」 キョン「じゃあ、」 キョン・朝倉「「いただきま~す」」 キョン「うまい!こっちはどうだ?(パクッ)…うっ、のどに……つ、つまった…み、ず……」 朝倉「大丈夫!?はい、水筒よ」 キョン「(ゴクッゴクッ)熱ッッ!!そして、しょっぱ!!なんだこれ!?水じゃないのか?」 朝倉「え?おでんのつゆだけど?」 キョン「濃いだろ!」 朝倉「栄養満点でしょ?それにこの自然の中で飲む一杯は格別だと思って。もしかして嫌い?」 キョン「嫌いとかではなくだn」 朝倉「あらそう、あたしはそういうキョン君が不愉快ね。あなたのせいで山の景観が損なわれるわ、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww俺廃棄物www」 朝倉「ゴミくずね」 キョン「(野外で朝倉に蔑まれてる…はぁはぁ)グフッ」 第4話 キョン「うまい飯も食ったし…さて、そろそろ下りるか」 朝倉「きれいな景色も見れたしね♪」 キョン「霧か……」 朝倉「変ね、さっきまであんなに晴れてたのに」 キョン「山の天気は変わりやすいとは聞いていたがここまで変わるもんだとはな」 朝倉「慎重に行きましょ」 キョン「遭難したなんてことになったら洒落にならんからな」 ――――― 朝倉「ねぇ、こんなとこ通ったかしら……?」 キョン「確かに…さっきから看板も見えないしな」 朝倉「戻りましょうよ」 キョン「そうだな」 ――――― 朝倉「……」 キョン「……」 朝倉「あら?」 キョン「どうした?」 朝倉「ううん……その、気のせいだと思うんだけど…ここ、さっきも通らなかった?」 キョン「まさか。そんなわけないだろ」 朝倉「だってあの木さっき見たもの。あの形は忘れないわ」 キョン「そんなバカな」 朝倉「ねぇ、言いたくないけどまさかあたし達……」 キョン「……迷った?」 朝倉「……」 キョン「……」 朝倉「お、落ち着きましょう。あせっても何も良いことはないわ。冷静を保ちましょう。とりあえず、深呼吸して、スゥーハァー…平常心平常心……次にこれで、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww落ち着けwww」 朝倉「大丈夫。あたしはいつも冷静よ……こんなことじゃ動揺しないわ」 キョン「(朝倉と二人っきり…はぁはぁ)グフッ」 第5話 キョン「さてここからどう動くかが重要になる」 朝倉「(コクン)」 キョン「当然の事ながら携帯は繋がらない。発煙筒などの類ももちろんない。つまり俺たちには誰かにこの状況を伝える手段がない。よってこの状況を自分たちで打開するしかないということだ」 朝倉「でもやたらと動くのも危険じゃない?」 キョン「そのとおり。黙ってここでじっとしているのが一番いいのさ。辛抱強く助けを待っていようぜ」 朝倉「あたしたち助かるかしら」 キョン「当たり前だろ。必ず二人で生きて帰ろうぜ」 朝倉「そうね(キョン君が頼もしく見える……それにドキドキする、どうして?)」 キョン「朝倉、顔が赤いぞ。どうした?熱でもあるのか?」(ピタッ) 朝倉「ッ!?(ビクッ)」 キョン「わぁ!ス、スマン…急に触ったりしたら驚くよな…」 朝倉「あ…そんなんじゃなくて……」 キョン「?」 朝倉「ねぇ、、、キョン君の隣に座っていい?」 キョン「別にいいぞ?」 朝倉「……(ピトッ)」 キョン「!?…朝倉?ち、近くないか?腕なんかく、組んできたりして、どうしたんだよ?」 朝倉「こうしていたいの(ボソッ)」 キョン「そ、そうか。朝倉がそれで落ち着くなら…」 朝倉「(ドキドキがとまらない。どうしたのあたし。…あれ…?別の場所からもドキドキが聞こえる。どこかしら?……あっ、そうか、この音はキョン君のドキドキね。おかしいの。二人でドキドキしてるなんて。ふふ♪)ふふ♪」 キョン「笑ったりしてどうしたんだ?」 朝倉「なんでもないわ♪ふふ」 キョン「そうか……あ、すまん。俺トイレ」 朝倉「え?」 キョン「なんか冷えるから近くってなww」 朝倉「……」 キョン「ちょっとあっちの茂みでしてくるよ!小さいほうだから安心してくれwww」 朝倉「……(ゴゴゴゴゴ……)」 キョン「どうした?おい離してくれよ。行けないだろ?」 朝倉「行く必要なんかないわ……」 キョン「へ?」 朝倉「だって、あなたはここで死ぬんだもの……じゃ死んで♪」 キョン「ちょww漏れるwww」 朝倉「あなたの空気の壊しようには呆れるわ」 キョン「(なんで怒るんだ?ハッ!?もしかして朝倉もトイレに行きたかったのか。朝倉のトイレ…はぁはぁ)グフッ」 第6話 キョン「悪いな。急にトイレなんか行ってw」 朝倉「……」 キョン「怒るなよ。次は朝倉が行っていいからさw」 朝倉「?」 キョン「どうした?急にキョロキョロしたりして」 朝倉「何か聞こえない?」 キョン「何か?……いや」 朝倉「確かに今聞こえたわ。ガサガサって音がしたもの」 キョン「まさか救助が来たのか!?」 朝倉「だと良いんだけど」 (ガサガサ) キョン・朝倉「「!?」」 朝倉「今のは聞こえたでしょ?」 キョン「あぁ……音が近いな」 朝倉「人かしら?」 キョン「おぉ~い……救助の人ですか~?そうなら返事してくださ~い……」 (ガサガサ…ガサガサ……) 熊「グァアァアア!!!!」 キョン・朝倉「!!??ギャアアア!!!」 キョン「逃げるぞ!!」 朝倉「えぇ!」 キョン「走れ!!」 熊「グォォオォォ!!」 キョン「やばい!ついて来やがった!!」 朝倉「捕まったら食べられるわ!もっと早く走って!」 キョン「なんか武器はないのか!?」 朝倉「下手に威嚇したら余計危ないわ!」 キョン「しかs(ガンッ)…痛!?なんか当たった!ん?これは、、蜂の……巣?」 朝倉「早く捨てて!蜂まで追いかけて来るじゃない!」 キョン「もう遅いぜ……」 蜂「(ブゥーン……)」 朝倉「キャー!!なんてことしてくれたの!?」 キョン「そ、そんなこと言ったっt(ギュム)……今なんか踏んだ」 朝倉「また!?」 狼「ガルルルル……」 キョン「今度は狼ぃい!!!」 朝倉「なんで敵を増やすのよ!!」 キョン「不可抗力だ」 熊「グオォォ!!」 蜂「(ブゥーン…)) 狼「ガゥゥウ!!」 朝倉「あぁもうっ!こうなったのもキョン君のせいよ!?」 キョン「何ッ!俺のせいだぁ!?」 朝倉「そうよ!いつもいつもあたしに迷惑かけて!今回だってキョン君がハイキングに行くなんて言わなかったらこんなことにはならなかったわ!!」 キョン「自分だって行きたいって言ったじゃねぇか!」 朝倉「うっ……そ、それはそれよ!つまり元凶はキョン君!それさえ断てばすべてうまくいくの!!だから、じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwあいつら無視www」 朝倉「なぁに?(キッ)」 熊「!?……キュ~ンキュ~ン…」 蜂「!?(ビューン!)」 狼「!?……キャインキャイン!!」 キョン「(一睨みで一目散に。さすが朝倉の目力だぜ。あぁあの目で睨まれたい…はぁはぁ)グフッ」 第7話 朝倉「走り回ったせいで今どこにいるかわからなくなったじゃない」 キョン「しかもさっきよりも暗いしな。さらに奥に来ちまったのかもしれん」 朝倉「もうあたしたち助からないのかしら……」 キョン「あきらめんなよ。必ず二人で助かるって言っただろ?」 朝倉「……えぇ」 キョン「元気出せよ。ほら、これでも食え」 朝倉「チョコ?」 キョン「はは、ちょっと溶けちまったがな。疲れたときには甘いものが一番だ」 朝倉「ありがと。(パクッ)……おいしいわ、キョン君」 キョン「そうか……ん?」 朝倉「どうしたの?」 キョン「いや、どこからかいい匂いが、(クンクン)」 朝倉「匂い?(クンクン)ハッ!?これはまさか!!(ダッ)」 キョン「おい!いきなり走り出したりしてどうしたんだよ!!」 朝倉「この匂いは…この匂いは……」 キョン「お~い!待ってくれ~」 朝倉「(ガサガサ)」 キョン「(ガサガサ)こんなとこ通って大丈夫か?」 朝倉「……」 キョン「やれやれ、ん?あれは光…まさか人のうちか!?」 朝倉「ふふふ、違うわ。あれは……」 キョン「あれは?」 朝倉「おでんの屋台よ!このあたしが言うんですもの、間違うわけがないわ」 キョン「その自信はどこから……なッ!?本当におでん屋だった!!」 朝倉「おじさん適当に見繕ってね♪」 キョン「なんというオチだろうか」 朝倉「ん~おいし♪」 ――――― キョン「俺たちは無事山を下りることができた。朝倉のおかげでな。だが出た場所は一つ隣の町だった。つまり必死で逃げ回ったせいで山一つ分を越えてしまったのだ。こうして俺たちのハイキングは終わった……俺と朝倉は危険を乗り越えることでまた一つお互いの愛を育んだのだ―――」 朝倉「勝手に何言ってるの?独り言なんて気持ち悪いったらないわ。だいたい愛とか言っちゃって恥ずかしいって言葉知らないのかしら?そんな恥知らずはこうしてあげる、 じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwおでん食って終わりとかwww」 朝倉「いい運動したあとはおいしいもの食べるに限るわね♪」 キョン「(俺たちの夏はまだ終わらない…はぁはぁ)グフッ」 ~夏休み・ハイキング編~完 おまけ 第8話 キョン「じゃあハイキングに行くか」 朝倉「そうね♪」 朝倉「……」 キョン「どうした?食わないのか?(パクパク)」 朝倉「ねぇ、これって?」 キョン「え?バイキングだが何か?」 朝倉「そんなベタなオチ期待してないの。こんなオチじゃ芸人になれないわよ? そんな無価値な人は処刑ね、じゃ死んで♪」 キョン「ちょww俺の将来芸人www」 朝倉「あなたみたいな人が芸人になったら失礼よ」 キョン「(なんにしても将来は朝倉と二人で…はぁはぁ)グフッ」
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「お前……なんでそんな格好してるんだ」 まるでそのまま時が止まってしまったかのように、長い沈黙と静止があった。 数分だったか、数秒だったか、はたまた一時間ほどもあっただろうか。 俺にとってはずいぶんと長い時間であったように思えたのだが、俺と共に硬直していた二人が、文句の一つも言わずに付き合ってくれていたことからして、おそらくそう極端に長い間ではなかったのだろう。 「はい? ……格好、ですか?」 沈黙を破った俺の言葉に、古泉は、頭がついていかないと言ったように、しばし呆然とした後で、はっと気づいたように、自分の着ている詰襟の制服に手を触れた。 自分が制服の着方を間違えてでも居るのかと思ったのだろうか。 安心しろ、古泉。ウチのブレザーより似合ってるぜ、それ。 「なあ、古泉。安心しろ、お前の着こなしは完璧だ。首にかけてる部分が実はアンダーということも無い。 お前がそんな学ランを着てるのは初めて見たもんでな、思わず言っちまっただけだ。 それでな、古泉。悪いが、俺にはあまり気持ちの余裕がないんだ。早速だが、話を聞いてもいいか? ……何故、お前は此処にいる?」 この古泉が、いつものように、半笑いで俺の疑問に答えてくれる、あの古泉だったらどれほど良かっただろうか。しかし、どうやら、そこまでゼイタクは望めないらしい。 古泉は……おおかた、俺が自分の名前を知っていることだとか、そのあたりのつまらないことに驚いているのだろう。柄にもなく目を瞬かせている。 なあ、もうそういうリアクションは飽き飽きなんだ。さっさと答えてくれないか。 お前は、鍵か? それとも、ただの気まぐれな侵入者か? 「その……なんと申し上げますか。僕は今日、この時間に、この部屋を訪れるよう約束していたのです」 数秒間、ためらうような時間があった。 やがて古泉は……一月前に、国木田やらに浴びせられたやつとは、またすこし違ったタイプの『得体の知れないものを見る視線』を俺に浴びせながら、恐る恐ると言ったように口を開いた。 「一体、誰と」 俺は尋ね、即座に……面倒な回り道はするべきでないと、思い直した。 「朝倉涼子か」 「! ……」 俺がその名前を口にすると、古泉は一瞬、眉に深い皺を浮かべた後で、以前にも何度か見たことがある、まるっきりの真顔となり、低く澄んだ声で、俺に向けて言葉を発した。 「あなたは……一体」 「朝倉涼子ならここにはいないぜ」 「! まさか、あなたたちが、涼子さんを―――」 涼子さん。ずいぶんと親密な呼び方をするじゃないか。 この世界のこいつと朝倉の間に、どんな接点が有るというというのだろう? 「待て、落ち着いてくれ」 「無茶を言わないでください。こんなわけの分からない状況で、落ち着けるわけがないでしょう」 御尤もな話だ。俺もこれまで、幾度かわけの分からない状況に陥ったことがあるが、はじめから落ち着いていられたことなんて、ただの一度もない。 「朝倉さんは、その……一昨日から、行方が」 声を発したのは、長門だった。 古泉は、たった今長門の存在に気づいたとでも言わんばかりに、目を丸くして、長門を見つめている。 「……行方不明、ですか?」 「ああ、そうさ。携帯も繋がらん、家にもおそらく帰っていない。一昨日の夜を最後にな」 「……そんな。では、この手紙は……」 手紙? 「……今朝、僕の家のポストに入っていたんです。涼子さんから、今日、この場所に来てくれと…… 以前、僕に預けたものを返してほしいとの事だったのですが」 「その預け物ってのは、まさか、ダン・シモンズの『ハイペリオン』じゃあないだろうな?」 「……待ってください。あなたは、本当に何者なのですか?」 どうやら、こちらの世界の古泉は、俺の知っている古泉と比べて、ずいぶんと感情的な奴のようだ。 俺が本のタイトルを口にした瞬間、古泉は俺から逃げるようにして数歩後ずさり、右肩にぶら下げていた学生鞄を庇うように、自分の体の後ろに隠した。 なるほど。そこにダン・シモンズの『ハイペリオン』が有るんだな? 「古泉、説明は後だ。そいつを俺によこしてくれ」 「ふざけないでください。あなたたちみたいな訳の分からない人に、彼女からの預かり物を渡せるわけがないでしょう」 ああ、確かにそうだ。俺も訳がわからん。 朝倉。お前は今日、俺たちがこの場所を訪れることを予想して、こいつをこの場所に呼んだのか? 一体、何の為に? お前は俺を、鍵から遠ざけるために、こいつを隠したんじゃあなかったのか? 「なあ、古泉」 腹の底からの面倒くささを感じながら、俺は目の前で敵意をむき出しにしている男に声を掛ける。 「……朝倉は、そいつを俺の手に渡すために、お前を呼んだんだ」 「何を馬鹿な……信用できません。あなたたちが、涼子さんの何だと言うのです」 「俺は文芸部員だ」 「それが何だと言うのですか」 「俺にもわからん」 古泉は、何を言っているのか分からない。という顔で、俺をにらみつけている。 ああ、古泉。俺だって、自分が何を言ってるのかなんかわかっちゃいないんだよ。 だからどうか、俺を困らせないでくれないか。 誰か、なにか、この男に、全ての事情を一瞬で説明する装置を、今、俺に託してくれやしないだろうか。そこらをさまよっているピザ屋にでも渡してくれれば、きっと俺の元に届くことだろう。この部屋の中央にそいつを仕掛けて、一晩休んだら、床に大量の古泉が張り付いているようなやつがいい。開発費用のほんの少しくらいなら、俺が負担してやってもいいさ。だから、どうかできるだけ早く――― 「……かずきくん」 「……は?」 不意に。古泉と二人、いたちごっこの睨み合いを続けていた俺の後ろで。 何かを思い出したように、長門が呟いた。 するとどうだろうか。俺の顔面に向けられていた古泉の双眸が、はたと長門に向け直される。 「……今、なんと?」 「……確かあの日、朝倉さん……『かずきくん』と会うって…… もしかして、あなたがその……」 あの日。とは、さしづめ、朝倉がこの部室から……もうタイトルを忘れてしまった、あの本を持ち去った日だろうか。 かずきくん? それは一体どこのどいつの事だろうか。 カズキ。ありふれた名前だ。漢字で書いたら、こんなところか。 和樹。 一輝。 一樹……。 「……そうですか。あなたが、『長門さん』なのですね」 「え……」 声を聞き、俺は古泉を向き直る。 しかしそこに、先ほどまでの、攻撃的な態度を浮かべる青年の姿はなく、その代わりに、どこか悲愴感を感じさせる微笑を、ほんのわずかに浮かべた、顔のいい男が立っていた。 「……分かりました。この本は、あなたがたにお返しします」 古泉は鞄を肩から外し、ジッパーを外した中から、茶封筒に包まれた、重たそうな冊子を取り出した。 そして、鞄を肩に掛けなおすと、両手に持ったその本を、俺へと差し出してくる。 俺は奇妙な緊張感を感じながら、片手でそれを受け取った。 「あ、ああ……確かに受け取った」 封筒に包まれているため、表紙は見えない。が、大体の大きさと厚み、そして重みでわかる。……そうだ。これこそが、俺がずっと探し続けていた。あの本だ。 「……彼女とのお約束の通り、一度として開いては居ません。ずっと大事に保管してありましたよ」 「そうか、それは……ありがとう」 「あなたに言っても、仕方のないことでしたね」 そう言って、古泉は――今度こそ。間違いなく――儚げに、微笑んで見せた。 俺の良く知る古泉が時として浮かべるそれと、全く同じ表情である。 「しかし……なんだ。かずきくんというのは……」 「……皆さん、僕のことを、はじめはそう呼ばれるんですよ」 古泉はなにやら気の晴れたような表情で――ある種のやけくそでもあるのか――イヤに朗らかに話し始めた。 「……この本を預けられるとき。僕は、涼子さんから、長門さんの話を聞きました。 この本の持ち主で……涼子さんにとって、その人はとても大切な存在なのだということも。 髪の毛が短く、背中がしゃんとしていらして…… なるほど。言われてみれば、その通りの方かもしれません」 古泉はひとしきりの語りを終えた後、ふと、我に返ったように目を瞬かせ。 「すみません。すこし喋りすぎですね、僕は」 と、すこし恥ずかしそうに……そして、どこか寂しそうに笑った。 「……僕にできることは、これきりだと思います」 「ああ……すまなかったな、突然」 「いえ……かまいません。お話は聞いてありましたから。 今、お渡ししたものは、長門さんにとって何よりも大事なものなのだと」 古泉は言った。 「いつか、それが必要になるときが来るかもしれない。その時まで、大事に預かっておいて欲しい。とのことでした どんな事情があるのか分かりませんが……つまり、その時なのでしょう?」 どうだろうな。 多分、そうなんだと思う。ぐらいしか言えんな。 何しろ――何度も言うが、何がなにやらなどは、俺にもさっぱりわからないのだから。 「……では、僕はこれにて失礼させていただきます。行かなければならないところがありますので」 やがて古泉は、腕の途中にぶら下げていた鞄を肩に掛けなおし、制服の襟を直した。 「朝倉さんが見つかりましたら、どうか……頼まれたことは全て済ませたと、お伝えください」 「……一つ、いいか?」 「なんでしょう?」 「お前と、朝倉は―――」 「古い友人。ただ、それだけです」 ふと。その言葉と同時に、俺を振り返った古泉は 一瞬、なにやら真剣な顔になり、俺の顔をまじまじと見つめはじめた。 「どうした」 「いえ……僕も最後に、一つだけ、よろしいですか?」 「構わんが」 「その本を、持ってみていただけますか」 こいつをか? 古泉は、俺の手の中に在る、先ほど渡されたばかりの書物を指し示している。 俺は言われるがままに、封筒の中からハードカバーを取り出し、それを手に持って、古泉に向き直って見せた。 これがどうした? 「いえ……なるほど。言われて見れば……意外と似合っていらっしゃるかもしれませんね」 それでは、ごきげんよう。 その言葉を最後に、古泉一樹は、文芸部室を後にし、土曜日の街へと消えて行った。 ……さて。 今。古泉の登場と共に、いくつかの新たなる事実が明らかになった。 朝倉は、この本を俺の前から隠し、それを古泉に託した。 そして、今朝。古泉は朝倉の命によって、本を返すためにこの文芸部室を訪れた。 そこに朝倉の姿などはなく、代わりに俺と長門の姿があった。 これは、偶然か? 必然か? なあ、朝倉? 「お前は何を考えてるんだ?」 俺が部室を振り返りながら呟くと、たまたま目の前に立っていた長門が、何事かというように俺の顔を見た。 「すまん。お前のことじゃない」 「……その本」 「ああ、そうだったな」 そうだ。 あれほどもう一度巡り合いたかった、この本が。今、俺の手の中に有る。 ずいぶんと回り道をしたものだ。俺はようやく、その鍵を手に入れたことになるのか。 朝倉によって遠ざけられたそれを、今、朝倉の導きによって。 「頼む、長門」 本を両手に持ち、俺がそう呟く。傍らで、眼鏡の長門が、不思議そうに目を丸くしている。 いつかのように。 俺を導いてくれ。長門。 「あ……」 俺が本を開くと同時に。開いたページの間から零れ落ちた、長方形の紙片を見て、長門が小さく声を上げた。 つづく
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新章:phantom そう思うべきじゃなかった──と、目を覚ましてから深く後悔した。ベッドで寝ていたはずの美代子の姿が消えている。布団を触れば、すっかり冷たくなっていた。 どうやらだいぶ前に姿を消したらしい。部屋の中のどこを探しても美代子の姿はなかった。 冗談じゃない。まさに青天の霹靂ってやつだ。昨晩はあんなしおらしい態度を見せておいて、日付代わって火曜日になってりゃ手の平を返された。女の恐ろしさの片鱗を味わった気分というか、古泉にゲームでボロ負けした絶望感というか、そんなマイナスの感情に心を苛まされたのは言うまでもない。 ちょっとコンビニまで、とか危機感なくふらふら外出している……ってわけでもない。もちろん、学校へ向かったのでもないだろう。 書き置きがあった。この部屋に第三者が足を踏み入れてさえいなければ、それは美代子が残した手紙で間違いない。 『明日、あのときのあの場所で』 意味がわからない。 なんで明日なんだ? あのときっていつの話で、あの場所ってのはどこのことだ? そもそも、どうしてそこまで俺がおとなしく待っていなくちゃならない!? 勝手な行動を取るあいつの言いつけを、俺が律儀に守ると考えているなら甘く見すぎだ。 明日ということは、今日一日は俺の好き勝手に動いていいってことだろう。そもそも『明日』とか言うのなら、せめて最後に『捜さないでください』くらい殊勝な一文を書いてみろ。書かれたところで大却下だがな。 そうとなれば、いつまでもマンションの中でまごついている場合じゃない。身支度を調え、携帯で時間を確認すればまもなく正午になろうかという時間。俺の格好は昨日から引き続き北高の制服で、そのまま外に出歩くのはマズイ気もするが、小学生が一人フラフラ出歩いていることに比べたら、まだ健全だろうさ。 憤まんやるかたない気持ちでドアに手をかけて力一杯ドアを開けた瞬間「きゃっ」と短い悲鳴が聞こえた。ドアを乱暴にあけたそこに誰かいたようだ。やばい、ここは別にTFEI専用のマンションってわけじゃなかった。ごく普通の一般人も住んでるはずだ。 「す、すいません。大丈夫ですか?」 開けたドアが誰かにぶつかった、って手応えはなかったが、驚かせてしまったことは間違いなく、だったら悪いのは俺だ。謝るのが人の道理に適した行動だと思って声をかけると、そこにいたのは本来ならここにいるはずもない人だった。 「だ、大丈夫。まさかタイミング良く開くなんて思ってなくて、ビックリしちゃっただけだから。でもキョンくん、ここにいてくれて良かった~。ちょっと捜しちゃいました」 俺を捜していたというのは嬉しい話だが、それにしてもどういう理由でこんなところにあなたが……。 「なんで、朝比奈さんがここに?」 俺がこの人を見間違うわけがない。私服姿でも部室で見慣れたメイド服でもなく、かといってゴージャスバージョンの朝比奈さん(大)でも当然なく、北高の制服に身を包んだ朝比奈さんがそこにいた。この時間なら学校にいるはずなのに……まさかサボりですか? 「違いますよ~。長門さんから頼まれて、ここに来たんです。ええっとそれで……この時間平面だと、昨日の夕方の学校ってことになるの?」 「へ?」 「え?」 何のことだと言う俺の顔を見て、朝比奈さんも困惑の表情を浮かべた。 「だって、あれ? ちょ、ちょっと待ってくださいね」 俺をマンションの中に押し戻した朝比奈さんは、そこで何をしているのかさっぱりわからないが、しばらくして向こうからドアを開けた。 「あのぉ~、やっぱり間違いないみたいです。申請も通ってますし……」 「申請?」 それはつまりあれですか。時間遡航をする申請ってことですか。 朝比奈さんがそんな言葉を使うということは、それ以外に考えられないから間違いな……え? それじゃ平日の真っ昼間から学校をサボってこんなところまでやってきて俺を捜していたのは、未来的な厄介事に巻き込むため? ええっと、なんと申しましょうか朝比奈さん。ええ、不肖この私、あなたの頼みであるのなら何を置いても馳せ参じる覚悟はありますよ。そりゃもう、現在過去未来、あなたが頼めば何処なりとも参りましょう。参りますけどね、今このタイミングでお願いされちゃうのは別の意味で参っちゃうんですが……。 「ち、違いますっ。学校を休んでとか、あたしの都合とかじゃないんです。今回のことは長門さんからのお願いで……だから昨日、キョンくんと別れたあと、ここへすぐ跳んできたの」 「昨日と言うと……森さんたちに送られて、鶴屋さんのところへ行く前、ですか?」 「そうです」 それで鶴屋さんのところまで見送ろうとした俺の申し出を断ったわけか。 「長門から?」 「そうですよ。あ、これも禁則……じゃないみたい。えと、昨日部室で長門さん、あたしに触ったときに、一人でこの時間平面のこのマンションの505号室にいるキョンくんを昨日の放課後の学校まで連れてきて、ってデータを送ってきて。時間遡航する申請が通るか不安だったんですけど無事に通って……だからあたし、今ここにいるんです」 昨日部室で? んーと……あれか、美代子と妹が部室に乱入したとき、コンピ研に呼ばれていたと言う長門が珍しく朝比奈さんにお茶を出すように進言したときに触れて……ああ、そういえば去年の十二月の世界改変時、長門は朝比奈さん(大)への指ちょんで改変時間のデータを渡していたっけ。 未来人は宇宙人が言うところの言語での情報伝達をしなくても済むようになっているんだな。人間の将来も便利になってるもんだ。 そんな人間の未来に思いを馳せていても仕方がない。つまるところ、朝比奈さんは長門のお願いを聞いてここにいるわけだな? なら、この時間遡航も今回の事件に関わることと思って間違いないんだな、長門よ。 今回はすっかり姿を眩ませて、おまえはいったい何を企んでいるんだ? 「それじゃキョンくん、いいですか?」 朝比奈さんが俺の手首を握る。どうせだったら手を繋いでくれないですかね? ダメですか、そうですか……なんて考えていると、地面を踏みしめる足下の感覚が失われ、頭のてっぺんまで麻痺するような衝撃が襲ってくる。感覚がないのに刺激を感じる奇妙な体験。濁流に呑み込まれた流木のように前後左右の方向感覚も麻痺し、鼓膜を激しく揺さぶるように耳鳴りがする。 相変わらずこれは……きつい。一眠りしたが、いつものベッドで寝たわけじゃない。体力がイエロー表示の俺には、そろそろエチケット袋を用意してもらいたいんですが……。 「はい……着きました」 その声に合わせるように地球の重力が復活し、その意外な重さに膝が砕けそうになる。辛うじて倒れ込まなかったのは、朝比奈さんが手首を掴んでくれていたからに他ならない……って、しまった。どうせだったらわざと倒れ込んで、朝比奈さんに寄りかかればよかった。 「どこですか、ここ?」 「えっと、体育館の用具室です。人気のないところ、って選んで」 うーん、それは確かにそうだが、もしここに誰かがやってきたらどう思うだろうね。人がいない体育用具室、そこに若い男女が二人っきり。しかも相手は北高非公認の美少女、朝比奈みくるさんときている。思春期真っ盛りの男としては、夢のようなシチュエーションだ。 現実は、夢を打ち砕くことしか続いてないけどな。 「とりあえず、ここ出ましょう」 人が誰もいないことを確認してからコッソリ用具室から抜け出して、俺はまず肝心なことを朝比奈さんに尋ねた。 「それで、俺はここで何すればいいんですか?」 「ふぇっ!? あ、あのあたし、キョンくんを連れてくるだけで、それ以外のことは何も……。長門さんからのお願いだから、キョンくんも知ってるとばかり思って」 長門め。朝比奈さんに頼み事をするなら、最後までしっかり説明しておいてくれ。それができないなら、当事者の俺くらいにはちゃんと話をしてくれたっていいじゃないか。 かといって、ここで朝比奈さんが急に眠りだしたら、朝比奈さん(大)が出てくる合図になりそうだが、それはつまり、いずれまた俺はこの時間までやってきそうな嫌な予感に切り替わる。あの七夕の日のように。 「……朝比奈さん、今何時ですか?」 「え……っと」 ひとつ思い至り、朝比奈さんに時間を尋ねると、その細い手首に不釣り合いなちょっとゴツめの電波時計をピピッと操作する。 「今、午後四時半になるころね」 「昨日の……この日のことですが、俺を突き飛ばしたのは何時頃ですか?」 「その時間はちゃんと覚えてますよ。午後四時五十二分です」 そういうこと……なのか? 俺に狙撃犯を見せるために、わざわざ朝比奈さんの力を借りてまで時間遡航をさせたのか? ただ、それを見せるためだけに? 違うな。何か違う。それなら長門が口で説明すればいいだけの話だ。あいつがそんな回りくどいことをするはずがない。そういうことなら言葉で説明するはずだ。普段無口だが、必要なことなら話はしてくれる。……まぁ、何を言いたいのか俺の頭じゃ理解できないのが難点だが。 それに俺が今、狙撃犯を目撃したところで手出しはできない。狙撃された、という事実があること前提で俺はここにいるのだから、その前に狙撃を止めるような真似は、歴史を変えることになる。 かといって……そうか。閃いた。 この時間なら長門がどこにいるのかわかっている。あいつはコンピ研に呼ばれてたとか言ってたし、そこにいけばいるはずだ。なんで朝比奈さんを巻き込んでまで俺をこの時間に遡航させたのか、本人に会って直接聞けばいいじゃないか。 「朝比奈さん、長門に会いましょう。あいつは今、」 ふと、視界の隅に入る陰。 よくあるじゃないか。正面を見ていても、視界の隅に何か動くものが見えたりすることが。意識することもなく、周辺視野が捉えた陰に気を取られることが。 それと同じだ。目は確かに朝比奈さんを見ていたが、視界の片隅に写るそれがふと気になって、俺は視線をそちらに向けた。 ──なんで、朝倉がいるんだ? 美代子のことじゃない。あいつは今、部室にいるか喜緑さんに連れられて長門のマンションに向かってるころだと思う。 そうじゃない。そうじゃないんだ。 そこにいたのは、かつて俺を殺そうとして長門に消された、朝倉涼子そのものだった。その姿は俺じゃなくたって、たとえ谷口や国木田が見ても彼女は朝倉涼子と言うだろうし、ハルヒとて朝倉と思うだろう。生き写し……というよりも、本人と言って間違いない。 それが俺を見て、微笑んで、手招きをして──廊下の先へ姿を消す。 「おい……おい、待てっ!」 廊下の角を曲がり去っていく朝倉を、俺は無意識のうちに追いかけていた。後ろから朝比奈さんが俺を呼んだ気がするが、立ち止まれるわけがない。走り出し、角を曲がり、朝倉の後を追う。どこまで走ったのか分からないがそれでも後を追いかけ、けれど追いつかない。 あいつは歩いているのに、角を曲がれば次の角まで朝倉は進んでいた。幻を追いかけているような気分になってくる。 本当に朝倉がそこにいるのか? それとも俺は他のヤツには見えない幻影でも追いかけているのか? いったい、どこへ俺を導こうとしているんだ? それとも誘い込んでいるのか? そして。 俺は立ち止まり、耳を澄ます。周囲を見渡す。 時間は今、午後の四時……四〇分を過ぎたころか? 時計があるわけじゃないが、この時間に遡航して朝比奈さんから聞いた時間から、朝倉の幻影を追いかけた体感時間を足してもそのくらい……いや、もしかすると、もっと時間は過ぎているかもしれない。 けれど、決して遅い時間じゃない。高校にもなれば、まだ人が大勢いておかしくない時間だ。部活だってある。教師だって何人も残っているだろう。 なのになんで、こんなに静かなんだ? どうして人っ子一人見かけない? ここは……学校だよな? 俺が知ってる場所で間違いないんだよな? 「キョンくん!」 大声で呼ばれて、口から心臓が飛び出るほど驚いた。朝比奈さんがいる。俺の後を追いかけてくれていたんだろう。人気がまるでない中で、自分以外の人がいてホッと安堵の息が口から漏れる。よかった、ここには俺以外にも人がいる。 「すいません朝比奈さん。実は、」 「まるでピエロだ」 俺の言葉にかぶせる声。朝比奈さんじゃない、男の声。一度聞いたら忘れそうにない声だが、決して心地良い声音ではない。本能的な部分で灯される危険シグナルがイエローを表示し、反射的に振り返る。 その男は、二月のあの日、花壇で記憶メディアを俺たちより先に見つけたときと同じような、高台から見下ろしてるような、野道を這う虫を見るような、けれどそこに敵意を含ませた目で、俺と朝比奈さんを睨んでいる。 思いも寄らないところでまさかの登場だ。いや、予定通りの登場なのか? ここでコイツが現れたということは、古泉の憶測通り、この時間に俺を狙い撃った狙撃手はコイツか、あるいはこいつの連れの女ってことか? どちらにしろ、予想に反してはいたが現れてみれば納得できる相手さ。 「滑稽で無様だ。ありもしない幻影に踊らされて、このザマとはね。哀れにすら感じるよ」 「どうしてここにいる、なんて聞くのも馬鹿らしいな。おまえの仕業か」 「僕が? 何をしたと? 憶測はやめておけ。いや、身の程をわきまえろ、と言うべきか。あんたなんかに未来はわからない」 「知りたくもないね。だからこそ、今できることをするだけだ」 「できること?」 男が鼻でふんっと笑う。それが嘲笑だってことくらい、俺にだってわかるさ。 「その『できること』とやらは何だ? せいぜいが、宇宙人女やそこの女の操り人形じゃないか。あんたは自分の意思で動いているのか? いいようにコマにされて誘導され、それを自分の意思だと思っているだけだ。だから、自分の犯す罪に気づかない」 意味がわからない。そもそもコイツと悠長に話をしてやる義理も義務もない。いや、ひとつだけあるか。 「あの狙撃は何の真似だ」 「だからピエロだと言うんだ」 そう言って、男は窓の外を指さした。つい釣られて目を向ける。そこで俺は、俺を見た。この時間、姿を消した美代子を捜して校内を走り回っていたこの時間に存在する俺。 そうか、この場所は──。 「あと、一分」 ヤツがカウントダウンを始める。 「それで未来が決まる。そして、あんたに未来は変えられない。長門有希が何故、ここにあんたを連れてくるように朝比奈みくるに頼んだのかわかるか? 考えなかったのか? いや、あんたでも考えるだろう。何か理由があるとすれば、それは狙撃のことに違いない。けれどあんたは未来を考え、それを止めることに躊躇する。だから、迷う。幻影を見る」 コイツ……。 「おまえも見たのか」 「見たんじゃない。知っているだけだ。そしてその結末も。いいだろう、答えてやる。あんたを狙撃したのは──」 響く、銃声。あのとき聞こえなかった音が、耳をつんざく。 「──長門有希だ」 次のページへ
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~日常編~ 第1話 キョン「世間では試験シーズン真っ只中だな」 朝倉「そうね、いつかはあたしたちにも来ることなのよね…ふぅ」 キョン「朝倉は進学先をもう考えてるのか?」 朝倉「うーん……そうね、だいたい確定してるって言ってもいいかもね」 キョン「将来のことなんかもう考えてるのか?」 朝倉「大体ね」 キョン「ちなみに何がやりたいんだ?」 朝倉「それは…」 キョン「それは?」 朝倉「ひ・み・つ♪」 キョン「なんだよ、教えてくれてもいいだろ?」 朝倉「そうね、ヒントはあたしにしかできないことね」 キョン「朝倉にしかできないこと?」 朝倉「ふふ♪」 キョン「う~ん……殺し屋?」 朝倉「……どうして?」 キョン「いや、朝倉っていっつもナイフ持ってるからさ」 朝倉「キョン君はあたしにそんなイメージしか持ってなかったの?あたしをなんだと思ってるの?そんなキョン君にはこれね、じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwやっぱ殺し屋www」 朝倉「これはあたしなりの愛情表現よ♪」 キョン「(ってことは俺って随分愛されてるってことに…はぁはぁ)グフッ」 第2話 朝倉「キョン君お弁当食べましょ♪」 キョン「やっと昼か」 朝倉「お腹空いちゃったわね」 キョン「げ!」 朝倉「どうしたの?」 キョン「弁当忘れた……」 朝倉「もう…あきれて言葉も出ないわね」 キョン「しょうがない、購買部に行ってパンでも買ってくるか。朝倉ちょっと待っててくれ」 朝倉「キョン君、買いに行く必要なんかないわよ」 キョン「どういうことだ?」 朝倉「ふふ、こんなこともあろうかとキョンくんのお弁当も一緒に作ってきたのよ」 キョン「朝倉…お前が輝いて見えるよ……」 朝倉「もうっ、そんな調子のいいこと言っちゃって。さぁ早く食べましょ♪」 キョン「じゃあ有難くいただくな。いただきます(パクッ)」 朝倉「味はどうかしら?」 キョン「うまい!おかずは種類が豊富だし、味も良い!毎日食べたいくらいだ」 朝倉「ほ、褒めすぎよ」 キョン「いやぁほんとにうまい。朝倉はいい奥さんになるな」 朝倉「そんな…(///)あ、キョン君ほっぺにご飯が…」 キョン「ん?」 朝倉「(ひょい、パクッ)そんなに焦って食べなくてもいいのに。子供みたいね、ふふ♪」 キョン「な、なんか恥ずかしいな」 朝倉「え?…あ……(///)」 キョン「これは朝倉にも恥ずかしくなってもらわなきゃな」 朝倉「え?」 キョン「ほら、朝倉あーん」 朝倉「え、そんな…」 キョン「ほら早く食べろよ、俺も結構恥ずかしいんだからな」 朝倉「もうっ!…あーん(パクッ)」 キョン「ふふ、どうだ?」 朝倉「聞かなくてもわかるでしょ!?ほんとバカなことするんだから!」 キョン「そんなに怒ったふりしても顔は真っ赤だぞ?」 朝倉「ッ!?(///)」 キョン「やれやれ」 朝倉「もう知らない!!……じゃ死んで♪」 キョン「ちょww食ってる最中www」 朝倉「キョン君なんか許さないんだから!!(///)」 キョン「(まったく、かわいいやつだ…はぁはぁ)グフッ」 第3話 朝倉「おはようキョン君♪」 キョン「よう」 朝倉「どうしたの?朝からそんな顔しちゃって」 キョン「朝が好きな奴なんてそういないだろ?」 朝倉「そうかしら、あたしは好きよ?」 キョン「朝が好きとは珍しいな。何か理由でもあるのか?」 朝倉「え…だって、朝になれば……その、キョン君に会えるじゃない(///)」 キョン「お前は朝から恥ずかしい気持ちにさせる奴だな」 朝倉「だって…(///)」 キョン「だがまぁ、おかげで俺も朝が好きになれそうだけどな……」 朝倉「え?何か言った?」 キョン「なんでもねぇよ。だがその考えでいくと休みの日は機嫌が悪いのか?」 朝倉「ん~そうね。そういう時はね?休み明けにキョン君に会えるって考えただけで幸せな気分になれるの♪」 キョン「そ、そうか(かわいすぎるぞ朝倉…!)」 朝倉「でもね、やっぱりストレスもたまっちゃうときがあるの」 キョン「そりゃそうだ。生きてりゃ不満も募るだろうからな」 朝倉「だからねそういう時はね?……じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwその解消方法チェンジwww」 朝倉「だめよ。あたしは休み中ずっと我慢してたんだもの♪」 キョン「(俺の欲求も解消してくれ…はぁはぁ)グフッ」 第4話 ?「……ったくなにやってんのかしら。早く来なさいよね…あ、来た!!」 キョン「しっかし眠いな」 朝倉「しゃきっとしなきゃダメよ?」 キョン「無理な注文だな…ん?」 ハルヒ「あ、あら登校中に会うなんて偶然ねキョン!!…と朝倉?」 キョン「ようハルヒ」 朝倉「おはよう涼宮さん♪」 ハルヒ「どうしてあんたたち二人で歩いてるの?」 キョン「ぐ、偶然そこでばったり会ったんだよ」 ハルヒ「ふ~ん。まぁいいわここで会ったのも何かの縁ね。一緒に登校してあげるわ」 朝倉「あら、いいわね。じゃあみんなで仲良く歩きましょ♪」 キョン「やれやれ……ハルヒなんでむりむり俺と朝倉の間に入ってくるんだ?」 ハルヒ「え!?あ、あらほんとね……そ、そんなのいいから早く歩きなさいキョン!」 キョン「変な奴だな」 朝倉「あらあら、涼宮さんは寂しがりやさんね」 ハルヒ「何言ってんのよ!そんなわけないじゃない!ほらさっさと歩く!!」 キョン「そういえば朝くr」 ハルヒ「キョン!」 キョン「なんだよいきなり大きな声なんかだして」 ハルヒ「え~っと……そ、そう、今日は部室で何かしたいことある!?」 キョン「はぁ?そんなのお前が決めればいいだろ」 ハルヒ「そ、そうよね!!」 朝倉「それでキョン君さっき何か言いかけた?」 キョン「あぁ、今日h」 ハルヒ「あぁそういえばキョン!!!」 キョン「なんだよ?」 ハルヒ「き、今日は晴れるかしらね!?」 キョン「おまえ大丈夫か?なんか変だぞ」 ハルヒ「そ、そんなことないわよ!あたしはいつでも元気よ!?」 キョン「そうか……それで朝k」 ハルヒ「あ~~キョン!!!」 (以下ループ) (学校にて) キョン「はぁ…なんだったんだ今朝のハルヒは?」 朝倉「キョン君気づいてないの?」 キョン「何をだ?」 朝倉「もう……鈍感」 キョン「何のことだよ?」 朝倉「なんでもないわ」 キョン「何だよ言ってみろよ」 朝倉「いいの!今のままのほうがあたしには都合がいいんだから」 キョン「?」 朝倉「(それにそんなキョン君を含めて好きなんだしね♪)」 キョン「全くわからん」 朝倉「でも、ちょっとお仕置きが必要かもね」 キョン「は?」 朝倉「乙女心は大切にしなきゃダメよ、キョン君?じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwわけわかめwww」 朝倉「よく考えてね♪」 キョン「(この理不尽さも俺は受け入れる…はぁはぁ)グフッ」 第5話 朝倉「キョン君」 キョン「zzz」 朝倉「ねぇキョン君ってば」 キョン「う~ん……」 朝倉「ふぅ……」 キョン「zzz」 朝倉「すぅーーー……キョン君!!」 キョン「うわぁ!!!!ってなんだよ、朝倉。人の睡眠を邪魔するな」 朝倉「だって授業はもう終わったのよ?いつまで寝てるつもりなの?」 キョン「そうは言ってもだな、睡眠はとりすぎて困ることはないぞ?」 朝倉「あなたのは寝すぎなのよ」 キョン「別に誰かに迷惑をかけているわけでもあるまい?」 朝倉「そ、それはそうだけど……」 キョン「なら問題はない」 朝倉「あたしは、」 キョン「ん?」 朝倉「あたしは……キョン君とお話したいのよ…?」 キョン「何かあったのか?」 朝倉「そういうことじゃなくて……なんていうか」 キョン「なんだよ、はっきり言ってみろよ」 朝倉「その……あたしは…あたしは少しでも多くキョン君といたいの!キョン君とお話したいの!!キョン君の顔を……見ていたいのよ……だめ、なの?」 キョン「…」 朝倉「だめだったなら、もういいの…」 キョン「すまん……」 朝倉「え?」 キョン「お前の気持ちにも気づかず…察しようともしなかった。俺ってやつは、最低だ…」 朝倉「そんなこt」 キョン「いや、いいんだ。すまなかった朝倉」 朝倉「そ、そんなに謝らないでよ」 キョン「いや、謝らなければ俺の気持ちがすまない」 朝倉「じゃあ他の形ですましてくれるっていうのはどう?」 キョン「他の?」 朝倉「例えばね?今週末はずぅっとあたしと一緒にいるっていうのはどうかしら♪」 キョン「朝倉……謀ったな?」 朝倉「え?なんのことかしら?」 キョン「ふっ、まぁいいさ。じゃあ約束だな。今週末はお前とずっと一緒だ。 いいか?絶対に寝かしてやらないぞ?」 朝倉「え!?きょきょキョン君!!!それってどど、どういうこと!?(///)」 キョン「ははっ、冗談だ。そう言ったら絶対朝倉は照れると思ったからな。さっきの仕返しだ」 朝倉「もうっ!(///)………じゃああたしも今の仕返しに仕返ししなきゃね」 キョン「へ?」 朝倉「じゃ死んで♪」 キョン「ちょww喧嘩両成敗www」 朝倉「そんな言葉知らないわ♪」 キョン「(はっきりと誘わないのもまたいいもんだ…はぁはぁ)グフッ」 第6話 キョン「週末に遊ぶって言ってるのに、放課後になんで俺たちは街に出向いてるんだ?」 朝倉「明日の予行練習よ♪」 キョン「やれやれ…」 朝倉「歩くのも疲れちゃったしどこかに入りましょ?」 キョン「じゃあ喫茶店にでも行くか」 (喫茶店にて) 朝倉「キョン君は何頼むの?」 キョン「じゃあコーヒーでも…」 朝倉「そんなのつまんないわよ」 キョン「なら朝倉に任せるよ」 朝倉「あらそう?あっ、店員さ~ん紅茶2つとチョコレートパフェ1つくださ~い」 キョン「なんだ腹が減ってたのか?」 朝倉「ふふ、二人で食べるのよ♪」 キョン「まぁ1人で全部はきついからな」 朝倉「ふふ♪」 ・ ・ ・ 朝倉「わぁおいしそうね♪」 キョン「スプーンが1つしかないぞ?持ってきてもらうか。すいまs」 朝倉「はい、キョン君あ~んして?」 キョン「何!?」 朝倉「だからあ~んしてって言ってるのよ?」 キョン「ば、ばか!こんな公の場所でそんなことできるか!!」 朝倉「ほら早くしないとこぼれちゃうわよ!早く早く!!」 キョン「あぁもうしかたねぇな!……(パクッ)」 朝倉「お味はどう?」 キョン「……うまいよ」 朝倉「じゃあ今度はあたしにもちょうだい♪あ~ん」 キョン「だからそんなことはできないって言ってるだろ!?」 朝倉「早くしてよぉ、あごが疲れちゃうでしょ?」 キョン「くっ、…ほら」 朝倉「うん、おいし♪」 キョン「くそっ、顔が熱くなってきた」 朝倉「じゃあもう一口食べる?」 キョン「だからムグッ!?」 朝倉「おいしいでしょ?」 キョン「ふぅ……(朝倉も最近腹黒くなってきたな…)」 朝倉「ふふふ♪」 キョン「おい、わざとらしく頬にクリームなんかつけて何やってるんだ?」 朝倉「え?どこどこ?キョン君とってよ」 キョン「ッ!?…………ほらよ」 朝倉「そのクリームはどうするのかしらね?」 キョン「朝倉がつけたんだからお前が食えよ」 朝倉「だめよ、あたしは今食べてる最中なんだからキョン君食べてよ」 キョン「そ、それは……」 朝倉「あらあら恥ずかしいのかしら」 キョン「そんなことねぇよ!(パクッ)」 朝倉「キョン君も段々慣れてきたみたいね♪」 キョン「(は、恥ずかしい……)」 朝倉「じゃあ仕上げはこれね、じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwそれ命の仕上げwww」 朝倉「最後を飾ってあげるわね」 キョン「(公衆の面前でこんなことを…はぁはぁ)グフッ」
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~日常編~ 第1話 キョン「世間では試験シーズン真っ只中だな」 朝倉「そうね、いつかはあたしたちにも来ることなのよね…ふぅ」 キョン「朝倉は進学先をもう考えてるのか?」 朝倉「うーん……そうね、だいたい確定してるって言ってもいいかもね」 キョン「将来のことなんかもう考えてるのか?」 朝倉「大体ね」 キョン「ちなみに何がやりたいんだ?」 朝倉「それは…」 キョン「それは?」 朝倉「ひ・み・つ♪」 キョン「なんだよ、教えてくれてもいいだろ?」 朝倉「そうね、ヒントはあたしにしかできないことね」 キョン「朝倉にしかできないこと?」 朝倉「ふふ♪」 キョン「う~ん……殺し屋?」 朝倉「……どうして?」 キョン「いや、朝倉っていっつもナイフ持ってるからさ」 朝倉「キョン君はあたしにそんなイメージしか持ってなかったの?あたしをなんだと思ってるの?そんなキョン君にはこれね、じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwやっぱ殺し屋www」 朝倉「これはあたしなりの愛情表現よ♪」 キョン「(ってことは俺って随分愛されてるってことに…はぁはぁ)グフッ」 第2話 朝倉「キョン君お弁当食べましょ♪」 キョン「やっと昼か」 朝倉「お腹空いちゃったわね」 キョン「げ!」 朝倉「どうしたの?」 キョン「弁当忘れた……」 朝倉「もう…あきれて言葉も出ないわね」 キョン「しょうがない、購買部に行ってパンでも買ってくるか。朝倉ちょっと待っててくれ」 朝倉「キョン君、買いに行く必要なんかないわよ」 キョン「どういうことだ?」 朝倉「ふふ、こんなこともあろうかとキョンくんのお弁当も一緒に作ってきたのよ」 キョン「朝倉…お前が輝いて見えるよ……」 朝倉「もうっ、そんな調子のいいこと言っちゃって。さぁ早く食べましょ♪」 キョン「じゃあ有難くいただくな。いただきます(パクッ)」 朝倉「味はどうかしら?」 キョン「うまい!おかずは種類が豊富だし、味も良い!毎日食べたいくらいだ」 朝倉「ほ、褒めすぎよ」 キョン「いやぁほんとにうまい。朝倉はいい奥さんになるな」 朝倉「そんな…(///)あ、キョン君ほっぺにご飯が…」 キョン「ん?」 朝倉「(ひょい、パクッ)そんなに焦って食べなくてもいいのに。子供みたいね、ふふ♪」 キョン「な、なんか恥ずかしいな」 朝倉「え?…あ……(///)」 キョン「これは朝倉にも恥ずかしくなってもらわなきゃな」 朝倉「え?」 キョン「ほら、朝倉あーん」 朝倉「え、そんな…」 キョン「ほら早く食べろよ、俺も結構恥ずかしいんだからな」 朝倉「もうっ!…あーん(パクッ)」 キョン「ふふ、どうだ?」 朝倉「聞かなくてもわかるでしょ!?ほんとバカなことするんだから!」 キョン「そんなに怒ったふりしても顔は真っ赤だぞ?」 朝倉「ッ!?(///)」 キョン「やれやれ」 朝倉「もう知らない!!……じゃ死んで♪」 キョン「ちょww食ってる最中www」 朝倉「キョン君なんか許さないんだから!!(///)」 キョン「(まったく、かわいいやつだ…はぁはぁ)グフッ」 第3話 朝倉「おはようキョン君♪」 キョン「よう」 朝倉「どうしたの?朝からそんな顔しちゃって」 キョン「朝が好きな奴なんてそういないだろ?」 朝倉「そうかしら、あたしは好きよ?」 キョン「朝が好きとは珍しいな。何か理由でもあるのか?」 朝倉「え…だって、朝になれば……その、キョン君に会えるじゃない(///)」 キョン「お前は朝から恥ずかしい気持ちにさせる奴だな」 朝倉「だって…(///)」 キョン「だがまぁ、おかげで俺も朝が好きになれそうだけどな……」 朝倉「え?何か言った?」 キョン「なんでもねぇよ。だがその考えでいくと休みの日は機嫌が悪いのか?」 朝倉「ん~そうね。そういう時はね?休み明けにキョン君に会えるって考えただけで幸せな気分になれるの♪」 キョン「そ、そうか(かわいすぎるぞ朝倉…!)」 朝倉「でもね、やっぱりストレスもたまっちゃうときがあるの」 キョン「そりゃそうだ。生きてりゃ不満も募るだろうからな」 朝倉「だからねそういう時はね?……じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwその解消方法チェンジwww」 朝倉「だめよ。あたしは休み中ずっと我慢してたんだもの♪」 キョン「(俺の欲求も解消してくれ…はぁはぁ)グフッ」 第4話 ?「……ったくなにやってんのかしら。早く来なさいよね…あ、来た!!」 キョン「しっかし眠いな」 朝倉「しゃきっとしなきゃダメよ?」 キョン「無理な注文だな…ん?」 ハルヒ「あ、あら登校中に会うなんて偶然ねキョン!!…と朝倉?」 キョン「ようハルヒ」 朝倉「おはよう涼宮さん♪」 ハルヒ「どうしてあんたたち二人で歩いてるの?」 キョン「ぐ、偶然そこでばったり会ったんだよ」 ハルヒ「ふ~ん。まぁいいわここで会ったのも何かの縁ね。一緒に登校してあげるわ」 朝倉「あら、いいわね。じゃあみんなで仲良く歩きましょ♪」 キョン「やれやれ……ハルヒなんでむりむり俺と朝倉の間に入ってくるんだ?」 ハルヒ「え!?あ、あらほんとね……そ、そんなのいいから早く歩きなさいキョン!」 キョン「変な奴だな」 朝倉「あらあら、涼宮さんは寂しがりやさんね」 ハルヒ「何言ってんのよ!そんなわけないじゃない!ほらさっさと歩く!!」 キョン「そういえば朝くr」 ハルヒ「キョン!」 キョン「なんだよいきなり大きな声なんかだして」 ハルヒ「え~っと……そ、そう、今日は部室で何かしたいことある!?」 キョン「はぁ?そんなのお前が決めればいいだろ」 ハルヒ「そ、そうよね!!」 朝倉「それでキョン君さっき何か言いかけた?」 キョン「あぁ、今日h」 ハルヒ「あぁそういえばキョン!!!」 キョン「なんだよ?」 ハルヒ「き、今日は晴れるかしらね!?」 キョン「おまえ大丈夫か?なんか変だぞ」 ハルヒ「そ、そんなことないわよ!あたしはいつでも元気よ!?」 キョン「そうか……それで朝k」 ハルヒ「あ~~キョン!!!」 (以下ループ) (学校にて) キョン「はぁ…なんだったんだ今朝のハルヒは?」 朝倉「キョン君気づいてないの?」 キョン「何をだ?」 朝倉「もう……鈍感」 キョン「何のことだよ?」 朝倉「なんでもないわ」 キョン「何だよ言ってみろよ」 朝倉「いいの!今のままのほうがあたしには都合がいいんだから」 キョン「?」 朝倉「(それにそんなキョン君を含めて好きなんだしね♪)」 キョン「全くわからん」 朝倉「でも、ちょっとお仕置きが必要かもね」 キョン「は?」 朝倉「乙女心は大切にしなきゃダメよ、キョン君?じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwわけわかめwww」 朝倉「よく考えてね♪」 キョン「(この理不尽さも俺は受け入れる…はぁはぁ)グフッ」 第5話 朝倉「キョン君」 キョン「zzz」 朝倉「ねぇキョン君ってば」 キョン「う~ん……」 朝倉「ふぅ……」 キョン「zzz」 朝倉「すぅーーー……キョン君!!」 キョン「うわぁ!!!!ってなんだよ、朝倉。人の睡眠を邪魔するな」 朝倉「だって授業はもう終わったのよ?いつまで寝てるつもりなの?」 キョン「そうは言ってもだな、睡眠はとりすぎて困ることはないぞ?」 朝倉「あなたのは寝すぎなのよ」 キョン「別に誰かに迷惑をかけているわけでもあるまい?」 朝倉「そ、それはそうだけど……」 キョン「なら問題はない」 朝倉「あたしは、」 キョン「ん?」 朝倉「あたしは……キョン君とお話したいのよ…?」 キョン「何かあったのか?」 朝倉「そういうことじゃなくて……なんていうか」 キョン「なんだよ、はっきり言ってみろよ」 朝倉「その……あたしは…あたしは少しでも多くキョン君といたいの!キョン君とお話したいの!!キョン君の顔を……見ていたいのよ……だめ、なの?」 キョン「…」 朝倉「だめだったなら、もういいの…」 キョン「すまん……」 朝倉「え?」 キョン「お前の気持ちにも気づかず…察しようともしなかった。俺ってやつは、最低だ…」 朝倉「そんなこt」 キョン「いや、いいんだ。すまなかった朝倉」 朝倉「そ、そんなに謝らないでよ」 キョン「いや、謝らなければ俺の気持ちがすまない」 朝倉「じゃあ他の形ですましてくれるっていうのはどう?」 キョン「他の?」 朝倉「例えばね?今週末はずぅっとあたしと一緒にいるっていうのはどうかしら♪」 キョン「朝倉……謀ったな?」 朝倉「え?なんのことかしら?」 キョン「ふっ、まぁいいさ。じゃあ約束だな。今週末はお前とずっと一緒だ。 いいか?絶対に寝かしてやらないぞ?」 朝倉「え!?きょきょキョン君!!!それってどど、どういうこと!?(///)」 キョン「ははっ、冗談だ。そう言ったら絶対朝倉は照れると思ったからな。さっきの仕返しだ」 朝倉「もうっ!(///)………じゃああたしも今の仕返しに仕返ししなきゃね」 キョン「へ?」 朝倉「じゃ死んで♪」 キョン「ちょww喧嘩両成敗www」 朝倉「そんな言葉知らないわ♪」 キョン「(はっきりと誘わないのもまたいいもんだ…はぁはぁ)グフッ」 第6話 キョン「週末に遊ぶって言ってるのに、放課後になんで俺たちは街に出向いてるんだ?」 朝倉「明日の予行練習よ♪」 キョン「やれやれ…」 朝倉「歩くのも疲れちゃったしどこかに入りましょ?」 キョン「じゃあ喫茶店にでも行くか」 (喫茶店にて) 朝倉「キョン君は何頼むの?」 キョン「じゃあコーヒーでも…」 朝倉「そんなのつまんないわよ」 キョン「なら朝倉に任せるよ」 朝倉「あらそう?あっ、店員さ~ん紅茶2つとチョコレートパフェ1つくださ~い」 キョン「なんだ腹が減ってたのか?」 朝倉「ふふ、二人で食べるのよ♪」 キョン「まぁ1人で全部はきついからな」 朝倉「ふふ♪」 ・ ・ ・ 朝倉「わぁおいしそうね♪」 キョン「スプーンが1つしかないぞ?持ってきてもらうか。すいまs」 朝倉「はい、キョン君あ~んして?」 キョン「何!?」 朝倉「だからあ~んしてって言ってるのよ?」 キョン「ば、ばか!こんな公の場所でそんなことできるか!!」 朝倉「ほら早くしないとこぼれちゃうわよ!早く早く!!」 キョン「あぁもうしかたねぇな!……(パクッ)」 朝倉「お味はどう?」 キョン「……うまいよ」 朝倉「じゃあ今度はあたしにもちょうだい♪あ~ん」 キョン「だからそんなことはできないって言ってるだろ!?」 朝倉「早くしてよぉ、あごが疲れちゃうでしょ?」 キョン「くっ、…ほら」 朝倉「うん、おいし♪」 キョン「くそっ、顔が熱くなってきた」 朝倉「じゃあもう一口食べる?」 キョン「だからムグッ!?」 朝倉「おいしいでしょ?」 キョン「ふぅ……(朝倉も最近腹黒くなってきたな…)」 朝倉「ふふふ♪」 キョン「おい、わざとらしく頬にクリームなんかつけて何やってるんだ?」 朝倉「え?どこどこ?キョン君とってよ」 キョン「ッ!?…………ほらよ」 朝倉「そのクリームはどうするのかしらね?」 キョン「朝倉がつけたんだからお前が食えよ」 朝倉「だめよ、あたしは今食べてる最中なんだからキョン君食べてよ」 キョン「そ、それは……」 朝倉「あらあら恥ずかしいのかしら」 キョン「そんなことねぇよ!(パクッ)」 朝倉「キョン君も段々慣れてきたみたいね♪」 キョン「(は、恥ずかしい……)」 朝倉「じゃあ仕上げはこれね、じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwそれ命の仕上げwww」 朝倉「最後を飾ってあげるわね」 キョン「(公衆の面前でこんなことを…はぁはぁ)グフッ」
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~新年編~ 第1話 キョン「明けましておめでとう、朝倉」 朝倉「今年もよろしくね、キョン君」 キョン「はは」 朝倉「ふふふ♪」 キョン「なんだかこうやって改まると恥ずかしいな」 朝倉「でもお正月らしくていいじゃない♪」 キョン「しかしなぁ…」 朝倉「どうしたの?」 キョン「まさか、こうして朝倉の家で年を越すことになるとはな。去年までの俺たちじゃ考えられないことだな」 朝倉「そうね…でもまぁ、それは……その、あたしたちがこうして……ゴニョゴニョ」 キョン「こうして付き合ってるから、だろ?」 朝倉「う、うん(///)」 キョン「朝倉」 朝倉「?」 キョン「好きだよ」 朝倉「い、いきなり何言い出すのよ!!(///)」 キョン「俺はただ自分の思うがままのことを言っただけだ。朝倉は?」 朝倉「あ、あたしも……」 キョン「なんだって?」 朝倉「そ、その……」 キョン「どうした?全然聞こえないぞ?」 朝倉「…うるさいわねッ!恥ずかしいの!!キョン君のくせに生意気よ!?お仕置きね、じゃ死んで♪」 キョン「ちょwwひさびさwww」 朝倉「一年の計はキョン君を殺すことにあり、よね?」 キョン「(こうして再び俺は朝倉に刺され続けるわけか、しかしそれも悪くない……はぁはぁ)グフッ」 朝倉「あたしも大好きよキョン君♪」 第2話 キョン「じゃあ初詣に行くか」 朝倉「そうね」 ・ ・ ・ ・ ・ キョン「しかし…ひどい混みようだな」 朝倉「お参りに何時間かかるかわからないわね」 キョン「これだけ人がいたらその辺に知り合いもいるかもな、ははh」 ハルヒ「キョンッッ!!」 朝倉「あらあら♪」 キョン「はぁ…さっそくか」 ハルヒ「ちょっとキョン!あんた電話に出なさいよね!!あたしが何回電話したと思ってんの!?」 キョン「ん?あぁ悪い気づかなかった」 ハルヒ「あんたねぇ、団員としての自覚あるわけ!?たるんでるわよ!!罰として、その……初詣の間あたしに付き添いなさい!!」 キョン「はぁ?」 ハルヒ「団長命令よ!!あんたもどうせ一人でしょ?」 キョン「え!?…いや、その……」 朝倉「いいじゃない。みんなで一緒にお参りしましょ♪」 ハルヒ「え……?あさ…、くら?なんでキョンと…?」 キョン「その……、そ、そう!さっきそこでたまたま会ったんだよ、うん」 朝倉「え?(キョン君?)」 ハルヒ「ほんと?」 キョン「本当だよ!なぁ朝倉?」 朝倉「え?あぁ…そうね」 キョン「な?」 ハルヒ「ふーん…まぁ信じてあげるわ。んじゃさっさと並ぶわよ」 キョン「ふぅ……」 朝倉「(ちょっとキョン君?)」 キョン「(朝倉、目が怖いぞ?)」 朝倉「(今のはどういうこと?なんで嘘ついたの?)」 キョン「(いや、その…なんというか…。あいつに俺たちが付き合ってることがバレるといろいろと面倒なんだよ…)」 朝倉「(なんで?)」 キョン「(世界が崩壊しかねん)」 朝倉「(……そういうことね)」 キョン「(だから当分の間は俺たちのことは黙っていよう)」 朝倉「(ふぅ、しょうがないわね……)」 キョン「(すまん…)」 朝倉「(いいのよ。涼宮さんが知らなくてもあたしたちが付き合ってるという事実は変わらないんだものね♪)」 キョン「(朝倉…)」 ハルヒ「ちょっとあんたたち早く来なさいよ!」 朝倉「行きましょ♪」 キョン「ありがとな朝倉」 朝倉「ふふ♪ほらほら早く!待たせちゃ悪いわよ」 キョン「よし、行くか!」 ハルヒ「早くしなさいよね!!」 第3話 ハルヒ「しっかし混んでるわね」 キョン「初詣だからな」 ハルヒ「キョンなんか買ってきて」 キョン「はぁ?」 ハルヒ「蕎麦しか食べてないからお腹すいたのよ!出店で何か買ってきなさい! !」 キョン「しょうがねぇなぁ…じゃあ二人は並んでてくれよ」 朝倉「ごめんね?」 ハルヒ「いいのよ謝らなくても!」 キョン「やれやれ」 ・ ・ ・ キョン「さぁて何を買うかな…ん?あれは……」 長門「モグモグ…おかわり……モグモグ」 キョン「長門、こんなとこに来てまで飯か?」 長門「モグモグ…小腹が空いただけ」 キョン「小腹ってレベルじゃねぇだろその皿の山は」 長門「食べる?」 キョン「いやいいよ。ところで一人か?」 長門「今はわたし一人」 キョン「聞き方を間違えたな。ここには一人で来たのか?」 長門「3人で来た」 キョン「3人と言うと、古泉と朝比奈さんか?」 長門「そう」 キョン「二人はどこに行ったんだ?」 長門「一緒に並んでいたのにもかかわらず、わたしがちょっと道に逸れただけでどこかへ行った」 キョン「逸れたおまえが悪いだろ。きっとおまえのこと探してるぞ?」 古泉「長門さぁーん!!」 キョン「ほらな」 古泉「どこに行ってたんですか?探しましたよ」 キョン「よっ」 古泉「おや、二人一緒にいたのですか。あなたがここにいるということは彼女も?」 キョン「あぁ、朝倉と一緒に来たんだ。途中でハルヒも合流してな」 古泉「あなた方の関係はばれてないですよね?」 キョン「大丈夫だ。おまえらも俺たちと一緒に行動しないか?」 古泉「よろしいのですか?両手に花というのも悪くないのでは?」 キョン「うるさいぞ」 長門「行く」 古泉「それでは僕もご一緒させてもらいますね」 キョン「じゃあとりあえずハルヒの飯を買ってくぞ。手伝ってくれ」 古泉「僕たちの分も買っていただけるのですか」 キョン「そんなもんは知るか。行くぞ」 古泉「おやおや」 みくる「みんなどこでしゅかぁ~。古泉く~ん、長門しゃ~ん。…はぐれてしま いましゅた。まったくみんな情けないでしゅね」 第4話 ハルヒ「まだ物足りないけどまぁいいわ」 キョン「どれだけ食う気だったんだよ」 ハルヒ「でも、まさかみんな来てるとは思わなかったわ、って…みくるちゃんは?」 古泉「そういえばいませんね」 みくる「へっきし」 古泉「たしか最初から僕と長門さんしかいませんでしたよ」 ハルヒ「あらそうなの?」 長門「そう」 みくる「へっきし!」 ハルヒ「じゃあ電話でもしてあげましょうか……圏外ね。しょうがないわね、あきらめましょ」 みくる「へっきし!!さっきから誰かが噂してるんでしゅかねぇ。もしかして美人とか言われてるかもしれましぇんね」 第5話 ・ ・ ・ ・ キョン「やっと順番が来たな」 朝倉「さぁお参りしましょ」 一同「……」 朝倉「……」 キョン「……」 ・ ・ ・ ハルヒ「じゃあ今日はここで解散!!みんな気をつけんのよ!!」 古泉「それではまた」 長門「…」 キョン「じゃあな」 朝倉「おやすみなさい」 キョン「長門のやつ、帰り道は朝倉と一緒のくせに俺たちに気を遣ったのか?」 朝倉「食べ足りないって言ってどこかへ言っちゃったわね。後でお礼言わなきゃ 」 キョン「そうだな。で…」 朝倉「なぁに?」 キョン「さっきは何を願ったんだ?」 朝倉「お参りのこと?ふふ、秘密よ♪しゃべったら叶わないかもしれないじゃない?」 キョン「教えてくれよ」 朝倉「だ~め♪」ダッ キョン「あっ、逃げないで教えてくれよ!」 朝倉「ふふ♪(いつまでもキョン君と一緒にいられますようにって願ったのよ♪)」 ~新年編~完
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